開園する前に、潜在ニーズ(預ける児童)があるかどうか調査しましょう
2022/10/18 #開園する前の確認事項

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開園前にまずはニーズ調査を

保育園の開園を検討し始めたら、まずはニーズの調査をしましょう。
ニーズ調査とは、どれくらい利用希望者がいるのか、どんな保育園を望んでいるのかといった保育園に関する要望アンケートのようなものです。
なぜニーズ調査が必要なのか、具体的に何を確認すればいいのかについて紹介します。

ニーズ調査の目的とは

病院・企業の現場で働く従業員の声は、管理部へ届きにくいものです。
就業規則やルール上では、シフト交代とともに退勤と決めていたとしても、実際の現場では日々イレギュラーが発生したり、職場の雰囲気で早く退勤しづらかったり……といった問題がよく起こります。
他にも、管理部としては保育園利用希望者が大勢いると思っていたが、いざ開園してみたら全員認可保育園に入園してしまい、園児が0名だったというともあります。
現場の声を聞かずに実態と合わない開園時間や定員などを設定することで、”使われない保育園”になったり、無駄な費用がかかったりする恐れがあります。
自院・自社にマッチした”使われ続ける保育園”となるように、ニーズ調査を行いましょう。

ニーズ調査で確認すべき項目

利用人数の把握

従業員の職場環境や職種によって、求められている保育園の運営内容はさまざまです。
ニーズ調査で確認すべき基本的な項目とともに、病院・企業が抑えるべきポイントを説明していきます。

院内・企業内保育園の利用を希望するか

実際に利用を希望している従業員がどれくらいいるのかを把握しましょう。
従業員の規模が大きいからといって、子育て世代も多くいるとは限りません。
また、ニーズ調査の段階では「希望する」としていても、実際に利用するかは別問題です。
この段階では、ざっくりとした保育園の規模や費用感を決めるための目安としてとらえましょう。

利用したい時間

病院勤務は、急な呼び出しや残業の可能性があったり、部門によってシフト時間が異なったりします。
一般企業でも、繁忙期や退勤しづらい部門などがあります。
従業員が始業時間に十分間に合う、かつ、業務に専念できる時間までお子さまをお預かりできるように、しっかりと勤務時間を確認しましょう。

一方で、開園時間を長くすることで不必要な残業を助長する恐れもあります。
従業員のみにニーズ調査をするのではなく、各部門長にも「どうしても勤務が必要な時間帯なのか」、「ワークライフバランスの観点から削減ができないのか」などの相談をお勧めします。

夜間保育、日祝保育、学童保育、病児保育、二重保育のニーズ把握

通常保育とは別に、オプションのような形で「夜間保育」「日祝保育」「学童保育」「病児保育」「二重保育」を実施する保育園が多くあります。

夜間保育を希望するか

病院や福祉施設など夜勤がある場合、夜間保育があることでシフトが非常に組みやすくなります。
また、お子さまがいても勤務しやすくなるため、夜勤を希望する従業員にとってもメリットがあります。

しかし、職場環境によっては小さいお子さまがいる従業員は夜勤回数を配慮してもらえたり、パートナーなど周囲の協力が得られたりする場合もあるので、夜勤がある = 夜間保育が必要 と一概には言えません。
また、夜間は保育士の人件費が日中と比べて高額となります。
運営費の面でも慎重な判断が必要です。

利用したい曜日

病院内保育園の場合、365日で開園しているところもあります。
自院の従業員は、日曜・祝日も保育園を使いたいのか、それとも、日曜・祝日は周囲の協力が得られるのか、状況は個人でさまざまです。

一般企業の場合、従業員は平日のみ勤務だったり、日曜・祝日は出勤して平日に固定休だったりすることがあります。

学童保育を希望するか

院内・企業内保育園の中にスペースを設けて、小学生をお預かりできます。
 学童保育が職場付近にあることで、保護者が勤務後にお迎えに行く負担を軽減できます。
 また、兄弟がいる場合には、送り迎えが一度で済みますし、保育職員とのコミュニケーションもとりやすくなります。
卒園後にそのまま学童保育でお預かりを続けることもできるため、お子さまにとっても環境の変化を少なくできます。

しかし、児童は基本的に学校から徒歩で登園するため、徒歩圏内に小学校がないと利用は難しいです。
下校後は習い事に行ったり、親戚に見てもらったり、という保護者もいますので、近隣の小学校との距離や各家庭の状況を把握しましょう。

病児保育を希望するか

就学前のお子さまは頻繁に発熱したり、体調不良を起こしたりします。
病院勤務などの保護者がお子さまの急な体調不良時にかけつけることが難しい職種の場合に有効です。

病児保育には3パターンあります。

  1. 病児対応型・・・病気を発症したその日に医師の診察後にお預かりする。
  2. 病後児対応型・・・診察を受けた次の日以降にお預かりする。医師が「回復期」とみなした時期からお預かり可能。
  3. 体調不良児対応型・・・預かっている間に体調が悪くなった場合にそのまま降園時間までお預かりする。


パートナーなど周囲の協力者に預けたり、お子さまの体調を優先して仕事をお休みしたりする保護者も多いため、各家庭の方針により利用率が大きく変わってきます。

二重保育を希望するか

朝と夕方のみ院内・事業所内保育園でお預かりし、日中の主な時間は幼稚園で過ごすことを二重保育と言います。
お子さまに集団生活を体験させたい場合や教育方針の観点からこのような方法を希望される保護者もいます。

幼稚園バスが院内・事業所内保育園まで送り迎えに来る必要がありますので、幼稚園側との連携が必要となります。

そのほか希望、要望など

「業務に専念したい」「送り迎えや荷物、お弁当などすべてにおいて負担を減らしたい」「急な残業に対応してほしい」「教育に力を入れてほしい」といった風に、病院・企業によって保育園の“目的”が異なるのと同様に、各従業員によっても保育園の“目的”や“求めていること”は異なります。
ニーズ調査にあたり細かな要望がでてくることがあります。
実現できる、できないは置いておいて、従業員が院内・企業内保育園に何を求めているのかを把握し、保育園の運営内容の決定や開園後により良い保育園を目指すための参考にしましょう。

もちろん、すべてのニーズに答える必要はありません。
企業や病院によって保育園を設置する目的は様々です。
従業員のニーズと自院・自社のニーズがマッチするもの、保育園を設置する目的に合致するものを重点的に採用していきましょう。

関連ページ

保育園を病院内・企業内に設置する目的とは?目的を明確にすべき理由

●保育園を設置する一般的な目的と効果  など詳しく解説しております。ぜひ併せてお読みください。

ニーズ調査を怠ると起こる失敗

ニーズ調査を行わずに保育園の運営内容を決めてしまった場合に起こり得る失敗例について説明します。

【失敗例1】 開園時間と就業時間が合っていない

<就業時間が9:00~18:00に対して、開園時間が8:45~18:15の場合>
保育園の玄関が大混雑し、いつも遅刻ギリギリの出勤に……。
急な残業が多い部門のため、閉園時間を過ぎてからのお迎えになってしまう。

登園・降園時は玄関が混み合うため、始業時刻に十分間に合う開園時間にしましょう。
また、部門によってはどうしても残業が必要になるため、定時ではなく、残業も配慮して閉園時間を決めましょう。

【失敗例2】 定員の設定が合っていない

<大規模な病院・企業だからと定員を100名に設定した場合>
実際の利用は10名程度しかなく、建築費が無駄に……。
園児を増やすように院内・社内で指摘され、園児集客に頭を悩ませることになってしまう。

従業員が多いからと言って、子育て世代も同様に多いとは限りません。
定員を多く設定すると建築費用や必要備品も多くなります。
開園後に実際の利用人数を見ながら、増築や備品の追加をしていくことをお勧めします。
まずはミニマムスタートから始めましょう。

【失敗例3】せっかくのスペースや備品が無駄になった

<必要性を確かめずに学童保育、病児保育を設定した場合>
学童保育、病児保育用にスペースを作ったり備品を揃えたりしたが、結局利用がなく物置スペースになってしまった。

学童保育、病児保育を実施する場合には、専用スペースの用意、備品の購入、保育士(病児保育の場合は看護師)の人件費が必要になります。
せっかく費用をかけて用意したにもかかわらず、利用実績0といった保育園もあります。
スペースや費用が無駄にならないように、どれくらい利用希望者がいるのかを把握しましょう。

すべての保護者で共通していることは保育園が「安心・安全・安定」していることです。
どれほど柔軟なお預かりや教育オプションを付けたとしても、安心して預けられない、安全対策ができていない、職員がコロコロ入れ替わり安定しない、そんな保育園は“使われない保育園”となります。
むやみやたらと開園時間を長くしたり、どんな要望でも受け入れたりするのではなく、「安心・安全・安定」した保育園にするために実現可能な保育園をつくりましょう。

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